不良君と私の恋愛物語

気づいたらベッドから出て走り出していた。

冴子が危ないって?!

そんな事あるわけないだろ!!!

俺の血が冴子の中で巡ってるんだろ?!冴子はそれで助かるんだろ!?

「一樹!こっちだ!!!」

誘導されて入った部屋には冴子が横たわったままだった。

慌しく看護婦と医者が動き回っている。

ピッピッピっと機械音が部屋に響く。

何も出来ないまま医者がすること眺めていた。

これが現実なのか、夢なのかもわからない。

周りのやつらは冴子に必死に声をかけている。

俺は?

俺は何をしてやればいいんだ‥?

輸血すれば冴子は大丈夫だって、そう思って無我夢中で志願した。

だけど、今冴子は?

死んでしまうのか‥?

何も出来ないまま時間だけが過ぎていく。




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