鈴音
 その後、いつもどおり18時近くになると作業が終わり、あの日から恒例の森里さんを家の近くまで送るという、例のビッグプロジェクトがスタートする。


アニメや映画、ドラマなどで見るあの夢のシチュエーションである。

俺にとってはもはや現実のものとなってしまったのだが。

もちろん最初の頃とは違い、帰り道でも森里さんとも普通に話せる。

「文化祭が楽しみだね!」
「夏は絶対4人で海に行こうね!」
など最近は楽しい話題ばかりだ。
 
家が近くなると森里さんは、「またね」と言い、そこからは一人で帰る。


文化祭まで、こういう日が続いた。

5月は楽しい月になった。

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