鈴音
 目を覚ました。

まるで絵の具を水で薄めず原液のまま塗ってしまったかのような、青々とした空だった。

雲も凛々しく漂っている。

小鳥のさえずりが聞こえないのは非常に残念だ。

眠りすぎたのか幾分、頭がぼんやりとしている。

「ふぅ~」と軽くため息をついたあとで、冷静に時計を見た。

15時だった。

もはや完璧に遅刻というレベルではない。

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