鈴音
「本当に風邪とかじゃなくてよかった。」

と森里さんは優しく言った。

俺はその言葉を脳内の名言集フォルダに刻み込んだ。

照れ隠しにコーヒーを飲む。

用が済んだのか森里さんは立ち上がり、

「じゃあ買い物があるから」と言った。

森里さんが帰ってしまうのは嫌だったが、予定があるなら仕方がない。
< 66 / 109 >

この作品をシェア

pagetop