切なさに似て…
一昨年の夏に、同僚に紹介されて渋々やり始めたSNSで、さっちゃんと出会った。

女の子のお友達がたくさん欲しいと願うさっちゃんは、今や200人以上もサイト上に顔の見えないお友達がいる。

そんなさっちゃんが私に近づいたのは、単に同じ年だったって言うのと。

何度かメッセージのやり取りをしているうちに、毎日彼女が書く日記に私がコメントを残しているから。


さっちゃんの日記は愚痴がほとんどだけれど、自分が。

楽しかった事。

悲しかった事。

嬉しかった事。

苦しかった事。

そんなことが素直に正直に文章にされていた。


素直に何でも言えて羨ましいなって思う。

渋々入り込んだ世界は、みんな言いたいことを言い合って、生き生きしているように見えた。

この自分の狭い世界から飛んで行けそうな気がして、やり始めたけれど、私の心は満たされることはなかった。


私には絶対に出来ない。いくら顔が見えないからとは言え、何でもかんでも話せない。

例え、親しくても。誰にだって他人には言えない事の一つや二つはある。


普通の一般家庭に生まれ育ち、友達だってこれでもかと言わんばかりにたくさんいて、優しくて理解力のある大人な彼氏がいて。


さっちゃんに私の全てを理解しろと言っても…。

きっと…、半分も理解なんて出来ないと、私は思っている。し、表面上だけの私のことだって見えてないんだろうって、映っちゃうんだよね。


だからかな、周りの人間の性格を分析してはこんな冷めた目で客観的に見ちゃうのは。


“冷たい”とは良く言われるもんなぁ…。
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