切なさに似て…
初めての手紙。


初めての“ごめん”。

初めての“ありがと”。

…ごめんとかありがととか。


私はそんなことが聞きたかったんじゃない…。


『この先、ありがともごめんも、言わなくていいから』

言い出しっぺは…。


『俺達の間で、そんな遠慮じみた言葉なんか、言い合わなくてもよくねーか?』

信浩だよ…?


私には言わせなかったくせに。

それを信浩が言っちゃうわけ?


あんなこと。…って何?

今までありがとな。…ってどういう意味?

もう会えない。…って宣告されたみたいじゃない。


いつ荷物取りに来たの?

私のいない間に来た理由は?


携帯は…?

解約したとか?

何で電話が繋がらないの?

何でサーバーからメール返ってくるの?


どうして、私の前からいなくなったの?

ごめんだとかありがとうだとか…。

そんな言葉が聞きたいわけじゃないんだよ…。


とっくに失望感を味わっているっていうのに、更に深くまで落とされていった。
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