切なさに似て…
何もする気は起きなくとも、お腹が空くってことは。…そこまで愕然としていないのか。


何だかよくわからない…。


鉄の塊でもつけられているんじゃないかというくらい、ずっしりと重たくなった腰を上げた。

冷蔵庫の中で冷やされていた昨日のチャーハンを、背の低い冷蔵庫の上で待機中のレンジで温める。

2分後、無音に近い部屋にチンッと場違いな音をさせた。


早く引っぺがしてくれと言わんばかりに、かけられたサランラップは所々白く曇っていて。

少しずつそれを剥がしていくと、たちまち香ばしく美味しそうな匂いが立ち込める。

つい約24時間前に味わった味覚が蘇る。


時間が経っていようが、パラパラ感は衰えていないのが、憎たらしく。

レンゲに乗せ、口の奥へと放り込めば、口内いっぱいに香しさが広がる。


ムカつくけど、…美味しい。


テーブルの上で見てくれとアピールしているレポート用紙は、いやでも目に入る。


食べ進めていけばいくほど、しょっぱさが増す。

ご飯粒が喉の奥で詰まり、飲み込むこともままならない。
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