切なさに似て…
麻矢に送り届けられ私は荷物を抱え、ふと顔を上げると明かりがついた部屋を目に入れた。

それを見て変な安心感が生まれ、完全に闇に紛れたマンションへと姿を眩ます。


ガタガタと大袈裟な音を立て部屋へ入ると、暖まった部屋の真ん中でぽつんと両膝を抱え座り込むレナがいた。

テーブルに置きっぱなしにしていたコーヒーカップは片付けられ、代わりにレナが作ったであろうオムライスが２皿、乗っかっている。


「全部持って来たつもりだけど、中身確認して」

座り込むレナの前にドサッと荷物を下ろす。


浴室へと行こうとした私に、レナの口が開いた。

「これ、何？」


その声に反応して振り向き、レナが手にしたスポーツ店の箱に視線が集まる。

それは麻矢に頼んで買って来てもらった物。


「それ？制服。新入生らしく新品着なきゃ楽しくないじゃん」

私が着てた制服は洗い替えにでもすれば？と、目を大きくさせ箱をじーっと見つめるレナに、そう言い残し浴室へと体を滑らせた。
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