切なさに似て…
雪に埋まりながら、そんな昔のことを思い出したその日も、信浩のマンションへと向かったんだっけ…。
そうして、今もそんな昔を思い出しながら、塀の隅に解けずに残った雪で雪だるまを作っている。
いつも、そうやって待っている時は、冬だった。
堅い雪で作った雪だるまは、いびつな形をしていてあまりに不細工な容姿をしていた。
しっかし…。
…遅いっ!!寒いっ!!
もうすぐ着くって、もうすぐじゃないし。
こんなに待たせてっ。…って、私はいうなれば居候の身だったっけ。
お腹空いたなぁ…。
ぶらぶらと両足をぶらつかせ、食材が詰め込まれた半透明のビニール袋に視線を落とす。
…明日、どうしようかな。
ふと、目の先に浮かび上がる黒い影に、顔を上げた時。
「何がどうしようかなって?」
信浩の真っ直ぐ見下ろした目と、私の目が合った。
「あ…、信浩。おつー。遅いからほんとに」
「遅い?そうかぁ?」
立ち上がった私に、首を傾けて考え込んでいるかのように顎に手を当てた。
信浩は前屈みに腰を曲げ地面に腕を伸ばす。私が放って置いた買物袋を持ち上げると、さっさとマンションの中へと姿を消した。
幅の狭い1階廊下に備えつけられた、集合ポストを覗き込む信浩に追い付き、その横に並ぶ。
「ピザに、出前に…。あとはサラ金のビラばっかだな」
ポストに入っていたチラシの数々をわしづかみ、ポストの扉をパタンと閉めた。
そうして、今もそんな昔を思い出しながら、塀の隅に解けずに残った雪で雪だるまを作っている。
いつも、そうやって待っている時は、冬だった。
堅い雪で作った雪だるまは、いびつな形をしていてあまりに不細工な容姿をしていた。
しっかし…。
…遅いっ!!寒いっ!!
もうすぐ着くって、もうすぐじゃないし。
こんなに待たせてっ。…って、私はいうなれば居候の身だったっけ。
お腹空いたなぁ…。
ぶらぶらと両足をぶらつかせ、食材が詰め込まれた半透明のビニール袋に視線を落とす。
…明日、どうしようかな。
ふと、目の先に浮かび上がる黒い影に、顔を上げた時。
「何がどうしようかなって?」
信浩の真っ直ぐ見下ろした目と、私の目が合った。
「あ…、信浩。おつー。遅いからほんとに」
「遅い?そうかぁ?」
立ち上がった私に、首を傾けて考え込んでいるかのように顎に手を当てた。
信浩は前屈みに腰を曲げ地面に腕を伸ばす。私が放って置いた買物袋を持ち上げると、さっさとマンションの中へと姿を消した。
幅の狭い1階廊下に備えつけられた、集合ポストを覗き込む信浩に追い付き、その横に並ぶ。
「ピザに、出前に…。あとはサラ金のビラばっかだな」
ポストに入っていたチラシの数々をわしづかみ、ポストの扉をパタンと閉めた。