神消し
博(暇になる度に思い出したって仕方ないよな…。)そう思い、博はベッドに倒れこむように眠りに落ちた。


━━━次の日の朝、博の目覚めは以外によかった。
夢の中でも考えてしまいそうだと思っていた博だが目が覚めてみれば爆睡していたことに気付いた。
博(ま、俺そんなに繊細じゃないもんな…。)
携帯が鳴った。加賀からのメールだ。
『はっくやーん!オ・ハ・ヨーvvv朝の気分はどやー?今日は憧れのカズキchanとのごたいめーん☆さぁどんなもんやろなー?F→ユーイチ』
毎朝加賀はメールを出す。それが加賀の日課だ。メアドを知っている者すべてに一件一件違う内容で送る加賀の根性には感心するどころか呆れてしまうものがある。
博「もう12時かぁ…。登山はムリだな」
ため息をついた博は朝食も兼ねた昼食を食べに一階に降りた。
昼食はラップに包んでおいてあった。今日も登山に行くだろうと見込んだ母の気遣いか、おかずはボリューム満点だった。
それを見て博はまたため息をつく。博は遅い動作でハンバーグから手を付け始めた。その時リビングの扉が開いた。
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