神消し
博「んで?由清。お前の話が本当のこととしても納得いかないことがある。」
由清「何だ?」
博「まず一つ。お前が山神の子だってことだ。見た目は俺達人間と全く同じ姿じゃないか。」
由清は少しため息をつき答えた。
由清「山神が罪を犯したからだ。」
カズキ「罪?」
由清「人間と交わったことだ。人間の『欲』は深く濃い。そのため肉体は山神としての姿を保てなかったんだ。…もう、数百年前の話になる。」
少し間を空けて博はまた質問した。
博「じゃぁ、お前は山神の子なのに何で生け贄にされたんだ?」
由清「山神にも様々な種族がある。俺の先祖は草木神だった。草木神が人間と交わったことに一番激怒したのが土蜘蛛だった。土蜘蛛は言った『天地の破滅だ!』と。奴らは俺たちの先祖を見過ごすわけがなく自分達の生け贄にしたんだ。そして俺もずいぶん前に生け贄にされたってわけだ。」三人はやはり非科学的すぎて納得がいかなかった。しかし由清自身が非科学的な存在であることは博とカズキは知っているのでそれだけでも納得せざるをえない。
カズキ「でも…伝説や神話では山神とかって大抵地方がMainですよね?」
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