神消し
見事な満月は深海に浮かぶ海月の様に神秘さを醸し出していた。
博「カズキ、お前ばーちゃんにはなんて言って出てきたんだ?」
カズキ「博先輩の家に泊まるって言ったから大丈夫ですよ!」
博の部屋の窓が開いた。背中に長い槍を背負った加賀が窓から博の部屋に入ってきた。
加賀「遅れてすまーん!オカンもオトンもなかなか寝んくてなぁ」
博「まだ時間あるけど神社にむかおう。静かに降りてくれよ!」
三人は物音一つたてずに階段を降りた。
玄関を出るとき静かすぎたせいかやけにドアノブを回す音が響いた。
博「……たぶん大丈夫だよな。」
カズキ「早く物置から刀と弓矢を出しましょう。」
三人は急いで物置から武器を取出し辺りに誰もいないか確認しながら博の家を出た。
加賀「こんな夜遅くにでかけんの初めてや〜!何か興奮やなぁ!」
博「興奮すんのはいいけどでかい声だすのヤメロ!」カズキ「そうですよ。近所の人が起きてこんなところ見られたら大変です。」
加賀「せやったな。堪忍!でもなんや。こんな物騒なモン持って深夜にでかけんのて変な感じやな。」
< 37 / 61 >

この作品をシェア

pagetop