神消し
加賀「げーっ!勝ち目なんてないやん!?」
由清「それだけならまだいいさ。………奴は…………山を降りた………………!!!!」
衝撃的なことばに沈黙が流れた。
博「………山降りたって………どーなんだよ?」
加賀「まさか人を食うとか言うんやないやろなー…」
由清「そのまさかだ。まだ決まったわけじゃないが奴は力を増幅させるために人間を食らうかもしれん。情報によると奴はお前たちの学校に潜り込んだな。……もっと力があったらすぐに気付けたものを…・」
カズキ「今は力ないんですか?」
遠慮しがちにカズキが聞いた。
由清「今は本来の姿というだけであまり男の姿の時と力は変わらないんだ。…お前たちの学校はいつから始まる?」
博「え?え、と10日後だよな?」
カズキと加賀がうなずいた。
由清「ならあとの10日間普通の生活を送っておけ。……もう、後戻りはできないからな。」


その日の土蜘蛛退治は不発に終わった。
それぞれ心に引っ掛かりを残しながらも博の家に戻った頃には朝刊が届く時間だった。
カズキも加賀も博の家に泊まった。帰ってくるなり博は重大なことに気付いた。
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