神消し
それから三人は勢いよく素麺をたいらげた。 

博「あー…食った食った!」
カズキ「ご馳走様でした。」
加賀「なんや満腹になったら眠うなってきたわ。」
その瞬間、カズキの目が光った。 
カズキ「加賀先輩、寝ちゃダメですよ!?昨日言ったでしょう?明日僕部活あるから手伝えないって。今のうちにどんどん進めちゃわないと!」
加賀「ひ〜!カズキっちも案外厳しいなぁ」
博「そりゃお前監視がいねーと何もしねーからだろ。」
カズキ「とにかく、今日中に半分くらいまでは終わらせましょう!」

『は、半分』
昼下がり、博と加賀の苦痛な叫び声に近いぬ悲鳴が近所に鳴り響いた。 


加賀「……………………………あかん、もおダメや〜〜」
カズキ「弱音を吐いちゃダメですよ!提出期限に遅れたらそれこそ大変な目にあうんですから。」
博「そーだぞ!去年の夏を思い出してみろ。」

加賀「………………………。ぅげぇ……………。」

去年の夏、博と加賀は保健の宿題であった朝、昼、晩の脈を毎日計るのと日常生活における筋肉運動を調べるのをすっかり忘れてしまったのだ。
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