神消し
博たちの通う中学には宿題を忘れると教科ごとにペナルティをあたえられるのだ。
その保健の宿題を忘れてしまった時は運悪く提出日が始業式の朝9時までとされ友達のを写す暇もなくペナルティをあたえられてしまった二人である。 
そして最悪なこととして、保健の担当は教師陣の中で唯一、加賀を目の敵にしている教師だった。加賀はほとんどの教師に好かれているのだが真面目一本の保健の担当は加賀のようなおちゃらけた性格で規律を守らない者が大嫌いなのだ。
よってその時のペナルティはペナルティ制度が始まって以来史上最悪なものだった。 
カズキ「何をさせられたんです?」
嫌〜な顔を見合わせて博と加賀が同時に答えた。 
『ドブ掃除。』
カズキ「……うっ」
ドブと言っても本当のドブではない。中学校のグラウンドの周りを囲むようにしてある用水路だ。
しかしあまりの汚さと臭さで学校関係者及び生徒からは『ドブ』と呼ばれているのだ。  
博「本当、お前がアホに睨まれてなかったら俺まであんな目に合わずにすんだんだぜ?」
加賀「俺のせいっちゅーんかぃ!!」
カズキ「アホ?」
カズキは不思議そうな顔で二人を見た。
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