春が来るまで…
帰りのホームルーム。




喜美が自分のノートを広げ何か書いて僕に見せた。




『一緒にかえろ。自転車置き場で待ってる』と。




僕は頷いた。
喜美は微笑んだ。




僕はあまりの驚きに、うまく笑えなかった。




僕がずっと好きだった喜美が、私もと応えてくれた。




僕がずっと好きだった喜美が、一緒に帰ろうと誘ってくれた!




『ぃやったぁぁああ!』僕は叫んだ。




クラスの全員が僕を見た。




中田先生が大声で笑った。




クラス全員が爆笑した。




僕は真っ赤になってうつむいた。
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