春が来るまで…
一度手をつなぐと、僕たちは急速に仲良くなっていった。




夏休みは二人で自転車であちこちに出かけた。




川沿いをずっと並んで走ったり、コンビニでお菓子とドリンクを買って河原で食べたり、公園でバドミントンをしたり、芝生の上で手をつないだまま寝ころんだり…




一度だけ、電車で遠出をして街のプールにも行った。




お互いのスクール水着ではない水着に、照れながら笑い合った。




何もかもが眩しかった。




何もかもが新鮮だった。




僕も喜美も幸せだった。




僕は喜美の彼氏で、喜美は僕の彼女。




何もかもが最高だった。
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