春が来るまで…
終業式を終えた後、僕たちは珍しく教室に残って話をしていた。




冬休みのデートについてだった。




僕たちの街の公共交通機関はあまり発達していない。




電車は、学校を頂点にした二等辺三角形の少し上を通っていた。




バスも、二時間に一本。下手すりゃ三時間に一本走っているだけだ。




雪のない季節は喜美の家から僕の家まで一時間程で歩けたが、この雪じゃ、倍はかかるだろう。




そして、僕たち二人は携帯を持っていなかった…。
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