春が来るまで…
『おう!恋人たち、何沈んでんだ?』教室の扉を開け、中田先生が僕たちの方へやってきた。




『冬休み、なかなか会えなくなるんだよ…どうしたらいい?先生』僕は素直に先生に聞いてみた。




『?。会えばいいじゃん』と不思議そうな顔で先生が言う。




そういえば、先生は東京からこの田舎に婿に入ったと言っていた。




『先生、先生は東京で恋愛してたからわからないかもしれないけど、雪国の冬のデートは半端ねーよ?死活問題だよ!』と僕。




中田先生は豪快に笑う。




『確かに死活問題だ』と。笑いながら言った。




『笑い事じゃねーて!』僕は困った顔で先生を軽く叩く。




喜美は、そんなやりとりを微笑みながら見つめていた。
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