春が来るまで…
お父さんは渋い表情をしている。




お母さんは、お父さんの方を向いて『どうします?』と尋ねた。




お父さんは先生に向かって言った。




『もし、もしも万が一のことがあったら、あなたが責任をとると言うんですか?』お父さんは先生を睨んでいる。




万が一のこと…僕が喜美に手を出して赤ちゃんができちゃったりするようなことだろうか…。




先生はスーツの内ポケットから何かを取り出した。




名刺入れとボールペンだった。




先生は、名刺の裏に携帯番号を書いてお父さんの方へ差し出した。




『万が一のことは、起こり得ないと僕は二人のことを信じています。』




『ただ、何か気になるようなことがあれば、いつでもその番号に電話をください。僕の携帯です』
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