春が来るまで…
そこで母さんは、小学生の弟を気にかけながら、続けた。
『中学生同士だし、色々好奇心がある年でしょ?でも先生は二人なら大丈夫って言って下さって…彼女…喜美ちゃんていうんだけど…彼女のご両親と、二人きりで部屋にいるときは扉を開けておくという約束をしたんですって。だから私は和樹たちの交際に賛成したわ』
『ふむ…』親父はしばらくおでんをつつきながら考え込み、僕の方を向いた。
『和樹、お前はちゃんと彼女を大事にできるんだな?俺たちの期待を裏切ることはしないな?』
『大丈夫。僕、喜美と出会って精神的に大人になった。だけどまだ中学生だってわかってる。喜美の体や心を傷つけることは、しないよ』僕は親父の目を真っ直ぐに見て言った。
親父は『よし!』と言ってビールのグラスを僕の方へ差し出した。
『へ?飲むの?』とキョトンとしていると、親父は笑い出し『バカか!乾杯だ』と情けなさそうな表情をした。
僕は慌てて自分のお茶が入ったグラスを手に持つと親父のグラスにコツンとあてた。
弟が『僕もー!』と叫び体を乗り出すので、僕は弟の頭を撫でながら乾杯をした。
『母さん、親父…ありがと…』と人差し指で鼻の下をこすると、弟も無邪気に『ありがとー!』と叫んだ。
三人とも大爆笑だった。
弟は何故か照れていた。
『中学生同士だし、色々好奇心がある年でしょ?でも先生は二人なら大丈夫って言って下さって…彼女…喜美ちゃんていうんだけど…彼女のご両親と、二人きりで部屋にいるときは扉を開けておくという約束をしたんですって。だから私は和樹たちの交際に賛成したわ』
『ふむ…』親父はしばらくおでんをつつきながら考え込み、僕の方を向いた。
『和樹、お前はちゃんと彼女を大事にできるんだな?俺たちの期待を裏切ることはしないな?』
『大丈夫。僕、喜美と出会って精神的に大人になった。だけどまだ中学生だってわかってる。喜美の体や心を傷つけることは、しないよ』僕は親父の目を真っ直ぐに見て言った。
親父は『よし!』と言ってビールのグラスを僕の方へ差し出した。
『へ?飲むの?』とキョトンとしていると、親父は笑い出し『バカか!乾杯だ』と情けなさそうな表情をした。
僕は慌てて自分のお茶が入ったグラスを手に持つと親父のグラスにコツンとあてた。
弟が『僕もー!』と叫び体を乗り出すので、僕は弟の頭を撫でながら乾杯をした。
『母さん、親父…ありがと…』と人差し指で鼻の下をこすると、弟も無邪気に『ありがとー!』と叫んだ。
三人とも大爆笑だった。
弟は何故か照れていた。