【企】エープリル・フール
私たちのサークルは、古代楽器を使った演奏を周りに広めようという目的で、翌月の卒業式に披露する為、練習している。


練習は苦じゃないけど、楽器に慣れない私に、タケルは一生懸命教えてくれた。


今も…タケルがいないと全然、意味不明なのに…。


「今日、タケル先輩は来ないんですか?」


タケルの友達、青木先輩に聞く

「あぁ〜!タケルなんだけど、昨日から熱出して、寝込んでるんだよっ!」


「そうだったんだ…」


「なんかあったのか?」


「あっ、いえ何も…」


そう言って、ごまかすしかなかった。


奈々子先輩は、変わらず譜面とにらめっこしながら、テンポを口ずさんでいるし。


いつも、横でタケルから指導を受けていたけど。


タケルも…私が来ない間。


何を考えていたんだろう。


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