【企】エープリル・フール
今日の練習が終わると、私は、タケルの家へ向かっていた。


熱冷ましには、何がいい?


通りに出るとドラッグストアに駆け込んで。


栄養ドリンクや薬を買い、スーパーで林檎やおにぎりを用意した。


早く治って欲しい気持ちだけしかなくて。


自然と足早になる。


タケルが私を必要としなくてもいい。


ただ、一人で寝ているタケルの姿が、頭から離れなかった。


こんな事したら嫌われるかな?

でも、私がしてきた事の方が、罪深いかもしれない。


どうか、元気になって!


今は、それだけ考えよう。


雪溶けが、辺り一面に広がる道路の中に、次の季節が胸を焦がす。


早く、春になって!


嘘の告白から、もうすぐ1年なんだ。


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