【企】エープリル・フール
罪のない嘘を
「はっ!何やってんの?ちえ!意味わからないよ…」


昨日の出来事を昼休み、恵美に話した。


「やっぱり、タケルといるとね?自分がダメになるの…」


明らかに、噴火寸前の恵美の顔

「何しに行ったわけ?」


「…お見舞いだよ!」


そう、昨日はお見舞い。


タケルは病人だったから!


「そりゃそうだけど?なぜ、寝ているタケル先輩に告ってんのよ!意味ないじゃない!」



『…そうだね?意味ないんだよね!ちえ?』



背後から耳慣れた声がする。


恵美は、口を手で覆って私の後ろを指差したまま…。


ゆっくりと振り返ると…


タケルがいた。。


「恵美ちゃん?ちょっと、この子借りていい?」


恵美はどうぞ!と手を出していた。


私は心臓が飛び出そうで。


右腕はしっかりとタケルに掴まれていた。


無言で、外まで連れて行くタケル。


完全に怒ってるよね?


そして、ベンチに座ると目の前にタケルが地面に前かがみになった。


ちょっと、至近距離だし。


怖いかもしれない!


「風邪は?」


「…大丈夫だよ!ちえのおかげでね〜!」


あぁ、なんかドキドキだし、さっきの言葉は何?


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