【企】エープリル・フール
私が、望んでいた事は違う。


魔が差したという言葉で解決できるものならいいけど。


「慰めてほしいの…」


嘘をついて、タケルの部屋へ上がりこむ。


何やってんだろう。


こうでも、しなきゃ会えないなんて…。


タケルは私の事、どう見てる?

ただの、サークルの後輩?


――――――――――


「やっぱり、帰る!」


タケルの顔が近づいた瞬間。


怖くなっていた。


きょとんとした目で、タケルは私を見下ろしている。


「……ちえ?」


「タケルとは、こういう関係にはなりたくないから…甘えてごめん!」


タケルもタケル。


忘れさせてあげるだなんて。


綺麗事言わないで欲しかった。

心と体は繋がっているのに。


タケルは私に対する気持ちなんてないのに。


やっぱり…男なんだね。


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