【企】エープリル・フール
「ちえ?合コン行かない?」
昼休み中、仲良しの恵美がニヤニヤしながら小声で誘う。
「はぁぁ?」
「久しぶりに、話がきたんだぁ!だからさっ、いいでしょ?」
気が乗らない顔がすぐでる私。
うーん。
頭の中には、タケルの顔が浮かんでいる。
こんな時、つくづく思い知らされる。
―――かなりの重症だって。
お願い、頭から消えてよ。
「恵美?いーよ!行くよ〜」
これでいいんだ。
…これから、嫌でも誰かと巡りあう。
時が経って、タケルの存在は消せなくても、私はまた他の誰かを愛する日がくるんだ。
恵美は、何となく気づいているかもしれないや。
「よかったぁ!ちえはさぁ…かわいいから!!すぐ男が寄ってくるよ!」
「やめてよ〜分からないって!こればかりはっ!」
.