【企】エープリル・フール
携帯の着信音が、鞄から鳴り響く。


こういう時になんで?


相手はタケルだ。


【最近サボり過ぎ!サークルに顔だせよ!】


あぁ…。


案外、タケルは気にも止めてなかった出来事だったんだね。


やっぱり?


ちょっと、心配とかしてくれるのを期待したりしたから。


バカみたい……。


携帯の画面を見たまま、私は、知らずのうちに、頬には暖かい涙がこぼれ落ちていた。


恵美は…


「…タケル先輩に本気なの?」

そう言って私を抱きしめた。


ごめんなさい!


本当は…まだダメみたい。


現実は厳しくて、


苦しくて、もがく事しか出来ない私。


こんなメール。


欲しくないよ!


欲しいのはタケルなのに。


最低最悪。


一喜一憂。


玉砕確定。


4月馬鹿は私。


.
< 7 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop