君の右手
朝ご飯も食べて来なかったし、もぉ最悪だぁ…
100メートルダッシュのような走りをしていた時
クラッ
朝ご飯を食べなかったせいか貧血を起こしてしまった――
(うわ、倒れる!!)
体が前に倒れそうになった時
ガシッ!
お腹に手の感触を感じた…
「大丈夫か?」
ふと、頭の上から聞こえた声に顔を上げると
そこには思わず見惚れる程に整った顔があった。
真っ黒なサラサラな髪と鼻筋が通っていて、ニキビひとつない綺麗な肌、
目は髪と一緒で漆黒の切れ長な瞳だ。
(吸い込まれそー…)
めったに見たことのない その綺麗な顔にボーッとしていてその人の問いかけには気づかず……
『おい』
「……」
『おいッ』
「……」
『おいッ!!!』
ハッ 「えっ!あッごめんなさい!」