君の右手

目の前には、綾乃の綺麗な顔がドアップ。

「ぇ、あ、ごめん何?」

すると、ハァ〜っとため息をつかれた。
『だからぁ〜、もうちょっと自覚をねぇ「あ、私先生に職員室に呼ばれてるんだった!ちょっと行ってくるねッ」

『あ、ちょっと!?男の子の話は!?』

「後で話すねー!」

そう言って教室から飛び出して行った花柄を見て、『逃げたな、』綾乃が溜め息をついた。

『全く、何も分かってないんだから、もうちょっと自分が可愛いって事、自覚して欲しいわ』

そう、綾乃が言うように花柄は可愛い。色白な華奢な体、腰まであるサラサラの長い髪は、思わず触れてみたくなるほどで、ちっちゃな顔はパッチリな目とプルッとしたピンクの唇。間違いなくモテる部類に入るだろう。しかし、本人は周りからの視線に気付かない程鈍感だった…。
まぁ、そこが可愛いとこでもあるのだが‥‥、
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