永遠の恋人
日常
「今日も宿世君と勉強するわけ?」
あたし、池谷梓は腰に手を当てて目の前に立つ彼氏である、林道也を睨み付けた。
「……するけど?」
何でも無い様な顔でさらっと答えた道也はそう言ってから、男らしく整った顔をあたしに寄せた。
「…梓が『寂しいから一緒にいて』って言うなら、今日は梓と一緒にいてあげるけど?」
低い声で囁かれ、あたしの顔は真っ赤に染まる。
「いっ…言うわけないでしょ!大体毎日毎日テスト期間なのに宿世君の勉強の時間削ってるってどうなの!?宿世君に悪いと思わないわけ!?」
爽やかな風が吹き抜ける緑溢れる学園内の男子寮の前で、あたしは叫んだ。
「…虎狼がそんな馬鹿だと思う?今回も余裕そうだよ」
うっ…。反論できない……。
今、あたしたちの議論の中心者は『宿世虎狼』君という完璧なクラスメイト。
高等部1と言われる美貌、加えて広大なこの学園の理事長の孫、生徒会長という役職、そして毎回トップの成績…。
何をとっても一流の彼は道也の親友だった。
*