永遠の恋人
 
「全く素直じゃないんだから」

ふっと口元を緩めて笑った表情に胸が高鳴る。

そのっ…優しい顔は反則!!

道也のあったかい大きな手があたしの頭をゆっくり撫でた。

今日は一緒にいてくれる気になったのかな…?

そう思って20センチは背の高い道也を、期待を込めて見上げると

「でも虎狼のが先約だから、オレと居たかったらおねだりするか、先に予定いれてよね」

との冷たい科白…。

「なっ…?!」

期待させといて何なの?!

「道也なんてあたしとの約束破ったって、宿世君と遊ぶじゃない!」

「ちゃんと事前に断りの理由話してるだろ?」

道也の手があたしの頭から離れ、ポケットの中に戻った。

軽い圧迫から解放された後頭部が淋しくて、ついつい道也の手の跡に自分の手を置いてしまう。



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