永遠の恋人
「もぉっ!道也の馬鹿っ」
梓に背を向けて歩きだすと、いつもの様に怒鳴り声が聞こえてくる。
その声にいつもと同じ様に苦笑する。
オレらの痴話喧嘩にはもう周りも慣れているのか、梓とオレが騒いでいても誰も気にしなくなっている。
オレだって梓が好きだから一緒にいてやりたい。
でも、どうしても虎狼を1人にしておきたくないんだ。
何でわかってくれないんだろうなー。
誰より脆い虎狼を〈独り〉にしたくないって気持ちを。
オレは振り返ることなく、虎狼の家に向かった。
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