addiction to you~改善青葉学園~


「あの子達は皆、心に深い傷を持ってるんですよ。少しでも傷が癒えると思い、この学園に入学してもらったんです。けど、傷は消えはしませんでした…傷を消す為に貴方の力が必要なんですよ。姫」

「自分に他人の傷を消す事などは…」


姫は、出来ないと言おうとした。


だって、自分には人を救う事など出来るはずがないから。


「出来ないじゃありませんよ。やるんです!いいですね(黒笑」


黒い笑みを浮かべる学園長。


「はっはい!」


半分脅し。


「いい返事ですよ、姫。それでは、宜しくお願いします」

「あの…やっぱり学園長だけで平気だと思います」


姫は言いました。


「まだ言いますか…まぁ、消せないってのは嘘ですよ。面倒だったんですよ。だから、人に押し付けたんです。それが何か?」


「いいえ…何もありません」



果たして、姫は皆の傷を消す事は出来るのか。

それは、今はまだ判らない。

でも、いずれ判る事・・・・

皆の心の傷はとても深い。

表は明るくしていても、裏では悲しんでいる。

そんな者がこの学園には集まっている。





< 78 / 368 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop