“涙空”㊤
私と春奈が焦っていると人込みの中から目立つ2人が歩いて来た。

『和紀!』

「大丈夫か?ゴメンな…先に行って…」

『ううん…私も早く歩けば良かったよね…』

「ほら!手!」

和紀は人込みから離れないように私の手を握ってくれた。

『あ…ありがと!』

私は顔が赤くなった。

だって啓太と春奈が見ているのに堂々と手を繋いで。

「じゃあ!お前も離れるから俺と手を繋げ!」

後ろから声がするので振り向いたら啓太と春奈が手を繋いでいた。

『ねぇ!あの2人お似合いじゃない?』

私はコソっと和紀に言う。

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