“涙空”㊤
『えっ!嘘!』

私は急いで鞄の中から鏡を取り出した。

『うわ!ヤバイ!』

和紀の言った通りに髪の毛は巻けてない。

化粧もいつもよりか適当。

「大丈夫だろ!」

『嫌だよ!あっ!』

私はポーチからゴムを取り出し長い髪を横にまとめてくくる。

「……カワイイ…美佐ずっとおろしてきたから…まじでカワイイんだけど…」

『べ………別に!』

和紀がハッキリと言ってくれた。

「化粧は大丈夫だろ!つぅか早く行こうぜ!」

和紀は私を持ち上げ自転車の後ろに座らせた。

「ちゃんとつかまれよ」
私は和紀に言われた通りに和紀のところに手を伸ばした。
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