“涙空”㊤
「彼氏ありかよ!」

男はそう言ってこの場を去った。

私は気まずくて黙り込んでしまう。

「大丈夫?」

『えっ!う…うん…何か…啓太の事まだ好きだよ…でも…和紀と付き合ってみようかな…和紀は本当に仮でもいいの?』

「…」

和紀は黙ったまま。

「本当に?」

いきなり明るくなったのでビックリした。

『え…』

「仮でもいい!付き合ってほしい…」

『じゃあ…よろしくね』
私は決めたんだ…。

どんな時も助けてくれたのは和紀だった。

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