“涙空”㊤
「ムリに…決まってんじゃん…意味わかんねぇ…美佐…何でだよォォ…」
『啓太…ゴメンね…ゴメンね…』

啓太も私も泣いていた。
私は泣く必要ないのにね。

つらいのは啓太なのに。
「もう…いいよ…最後に一言だけ…お誕生日…オメデトウ…美佐…」

プープープー!

電話が切れた。

…啓太…そうだ…明日は私の誕生日…。

ありがとう。

啓太…私も幸せになるから…啓太も絶対に幸せになってね…。

♪~♪~♪~♪

着うたが流れる。

私は涙で前が見えない目をこすり電話に出た。

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