“涙空”㊤
「美佐!」

それにつられて和紀も来る。

学校の校門の前まで走りゆっくり歩く。

「美佐!大丈夫?」

『和紀ィィ!ゴメンね…ゴメンね…』

私は何度も謝った。

「うん…まだ啓太に未練があるんだよな…」

そう言い和紀の顔は暗くなっていく。

『…………』

私は黙ってしまう。

だってまだ完璧に未練が無くなったわけじゃないもん。

「まぁ大丈夫!だって俺も仮でいいって言ったし!じゃあまた明日!」

和紀は走って帰って行った。

「美佐!」

あれ?和紀はもう帰って行ったはずなのに。

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