“涙空”㊤
私は泣きながら帰った。
「美佐…」

後ろから声がした。

懐かしい声。

『啓太だよね?』

私は後ろを振り返る前に名前を言って後ろを振り返った。

「よくわかったな!」

『まぁね…』

私は涙目をこすり笑顔で啓太を見る。

「また何かあったんか…大丈夫か?和紀の事か?」

『大丈夫だよ!あっ!啓太は春奈の事好き?』

「何でだよ!俺は美佐やから…」

『やめて…お願いだから…春奈にしてほしい…』
「何でお前にいちいち恋愛の事まで決められるんだよ!」

『…ゴメン…』
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