“涙空”㊤
そりゃそうか…。

私は啓太の部屋に入る。
懐かしい匂い。

黒と白がメインの部屋。
『あぁ!!懐かしい!』
「で…どうしたん?」

『……別に…ただ…今は1人でいたくないんだ』
「和紀はやめとけよ…何でアイツなんだよ…女と遊んで…」

『そうだよね…でも啓太も同じだったよ…浮気して…だから…私はそんな和紀でも愛する事を決めたんだ…』

「………っ!!それを言いにここに来たのかよ!!」

『それは!!違うよ!』
私は焦ってしまう。

「和紀の話はしないから美佐もしないで…」

啓太は幼い顔。

泣いたらいつもカワイらしくて心の中で笑っていた。
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