散弾銃プレアデス
飛行
飛来
飛散
飛翔
飛躍
ひとが、「とぶ」だなんて。
“魔法のように”などといった形容は全く似合わない、異様な光景だった。「飛ぶ」というよりは「浮かぶ」の方が合っているかもしれない。
四肢に杭を打たれたイエスの如く、宙に留まる少女。
「あ…う…ぐっ」
子供のそれとは思えない、うなるような声。すばるの周囲から、まるで放電するかのように赤い光線が放たれている。
「……すばる…ちゃん…!?」
半ば方針状態ですばるの名を呼べば、少女は微かに言葉を返した。
「せん…せ…」
すばると目線がぶつかる。何も出来ない。足がすくむ。立ち上がれない。
びくん
「せんっ…せ…!!!」
びくん
びくん
すばるの小さな身体が波打ちはじめる。