散弾銃プレアデス
「………葵」
原の声が妙に大きく聞こえ、部屋に反響した音が安原の鼓膜を震わせた。
それっきり、しんとした空気が場を支配する。キリキリと張り詰めた空間で、ふと顔を上げた安原の目線が原とぶつかった。
目を反らして生まれた、まるで心臓を潰されるような痛みに安原は目を閉じる。
膨れ上がる憤り。息が詰まる。
蘇る記憶の中、小さな天使は色をなくして座っていた。
翼をもがれた血塗れの背中に機械仕掛けの翼を埋められた天使。
【飛行型埋設稼働式衛星兵器】
そう記された書類冊子を渡されたのは、もうずいぶん昔の話だった。