散弾銃プレアデス
「長官、俺は…なぜ呼ばれたんですかっ…!?」
自分でも驚くほどに声が震えた。手が震えた。膝が震えた。
訓練され、研ぎ澄まされた、その全神経が怯えていた。
「ねぇ安原」
御堂の目は揺らがない。
部下として迎える、いずれは兵器となるべくしたコドモ。それが自身の傘下へ入ることは、安原にも多少の予想はついていた。
「取り返しがつかなくなる前に、止めなきゃいけないの」
真っ直ぐに自分を見据えて、ただ呟いた若き長。頑なに変わらない表情こそが、彼女に強いられた重い枷を安原に気付かせた。
「私たちしかいないのよ」
御堂はもう一枚書類を取り出した。
ふわりと手放す。半ば投げるように紙が舞う。
計り知れないほどに重みのある一枚が、安原の手元に着地する。