散弾銃プレアデス
その少女はこれから……そう、翌日にでも、特殊公務機動・航空隊員として自身のもとにやってくる。
閉ざされているであろう心は、きっと自身や周囲の温度でいずれ溶ける───その自信だけは、安原葵にあった。
だが、ある一文。
飛行型兵器としての機能詳細の確立次第、その特色である飛行能力を以て、定めた空中軌道上にて旋回・国家防衛に務めるとする
───この文言だけが、安原の心に重くのしかかっていた。
繋いだ手の輪の中心で、自身や仲間が少女のココロを占めて笑うようになる頃、抗えない力でその笑顔は取り上げられる。
それをわかっている以上、少なくとも安原にはやすやすと受け入れることが出来ないでいた。
───少女から、もう一度家族を取り上げることにもなる。