散弾銃プレアデス
少女に課された十字架があまりにも残酷で、安原は立ち尽くしている。
8年間、動けないままでずっと。
「陽性」であるがゆえに家族と引き離され、機械仕掛けの翼を埋め込まれた少女は、
ヒトの手で生まれ
ヒトの為に国の為に殺される。
生かされ、同時に殺される。
何もしてやれないまま、すばると共に生きた日々だけが延びていた。
その長さに比例してすばるの戦闘能力は上塗りされていき、今では既に一人前の隊員の────それ以上の力をもつ。
すばるへの愛しさも、すばるを含めた空機隊の「あたりまえ」も、
暖かなもののすべてが構築されていく。
その先にあるのは、口を開けた絶望だった。