散弾銃プレアデス
すばるの足元で、大粒のなみだが弾けた。ごしごしと手の甲で拭おうとすると、その手をやんわりと制止する安原の大きな手。
「…すばる、」
安原がうつむいたままのすばるに後ろから伸ばしたその大きな手の平が、すばるのわき腹をひょいっと抱えた。
「うわ、あっ…!」
「…あー、えっとだな」
宙ぶらりんのすばるが肩ごしに驚いた表情を見せる。
左腕がすばるの腰に回り、ぐっとすばるの身体を抱えた。
「皆瀬…あー……、」
言いながら、安原はとても軽いものを扱うように容易く、くるりとすばるの方向を向かい合わせになるよう変える。
すばるは顔をこれ以上なく真っ赤にして目の前にある安原の顔をじっと見た。