散弾銃プレアデス


一瞬の沈黙。

満足そうな顔の安原とこれ以上なく真っ赤な顔のすばる、そして笑いをこらえる原。


「…っうええええ!?」


耐え切れずに声を上げたすばるの表情に、安原の怪訝そうな顔。

「……なんだその顔は?

大事なモノを好きだと言って何が悪い」

ふん、と息をつくと安原はすばるを真っ直ぐに見て言った。

ちらり、すばるは上目に安原を見ると、不安げな声を絞りだす。



「…す、すすす…す、き?」



その問いに、安原はよく通る低い声で、ハッキリと答えた。

「ああ、好きだ。

お前は単純だが、一生懸命だ……そして粘り強く、頑なな信念の持ち主でもある」


原がくつくつと肩を震わせ、安原はすばるを見つめて続けた。
すばるは火照った頬に両手を当て、小さく頷く仕草を繰り返している。



「俺はそういう奴が好きだ。

大事な、自慢の部下だ」



安原葵は愚直で真っ直ぐな男だった。それゆえにおそらく、彼とすばるの「好き」は違う。

それでも、すばるにとってはとても大きな意味を持つ言葉になった。
すばるの中に灯る熱はじわりと広がって、確かにそのココロを照らしてみせた。



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