散弾銃プレアデス
御堂は顔を上げないで、ただ口元に返事を浮かべている。
「……そう」
ぺらり、ぺらり。
紙の音が規則的に聞こえる。
その手つきと目もとは、御堂にとって、さして重要ではないことを示していた。
「私は忙しいの」
視線を上げずに淡々と言い含める言葉は、まるで自分に聞かせるようだった。落ちてきた横の髪をうっとうしそうにかき上げ、小さく落とすため息。
安原は、必ず出来上がるはずの御堂の決断を待ち、その場から動かずに上官を見据える。
これから、どうするか。
御堂の決断に任せ、自身を投じる覚悟は出来ていた。