散弾銃プレアデス


「太陽の周りを廻る地球の、内側を廻っている星だ」





安原が足を止めた。
銀色の《トリカゴ》が闇夜に薄ぼんやりと浮かび上がる。





「明け方と夕暮れに少しだけしか見ることが出来ない、太陽系の第二惑星――皆瀬」
ほら、と指先が示す方をすばるが見れば、既にまばゆい光は霞みはじめていた。







朝は東の空に。
夜は西の空に。









「…太陽にも月にも会えない星」



安原の言葉に、すばるはそっと顔を上げた。何か言いたそうに自分を見るすばるに安原が微笑む。

「……ん?」










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