散弾銃プレアデス









泣き出したサイレンは夜空を引き裂く。

だが、安原葵は微動だにせず、優しい目でただ空を見ていた。


漆黒の闇。
金色の星。
深緑の森。



白銀の戦闘機。





すばるが安原を見上げれば、にっこりと笑って頭を撫でてくれた。

「…やすはら、隊長」


安原は応えなかった。
ただしゃがみこんで、すばるを包む。





「隊長……、隊長っ」
腕の力がぎゅっと強まった。




「怖い…空は、怖いよぉっ…!」





< 166 / 288 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop